結果だけを評価すると、組織は歪む
どれだけ正しい手順を踏んでも、どれだけ工夫を凝らしても、成果が出なければ評価されない──そんな組織は、いずれ人が離れていく。
結果を出した人が称賛されるのは当然だが、「なぜその結果に至ったのか」という過程を無視すれば、評価はただの偶然に見える。運の良し悪しで扱われる職場に、成長意欲は生まれない。
努力が可視化されない組織に、次の挑戦は生まれない
挑戦にはリスクがある。だからこそ、失敗に終わったとしても、そのプロセスを適切に評価することが重要だ。現場の努力を“見ている”“理解している”という姿勢がなければ、社員は挑戦をやめ、無難な選択しかしなくなる。
「無難な正解」ばかりを追い続ける組織に、イノベーションは起こらない。
成果主義とプロセス評価は両立できる

よく誤解されるのが、「プロセスを評価すると甘くなる」という論理だ。だが実際は逆で、プロセスをしっかり評価している組織の方が、結果にも厳しくなれる。
努力や工夫の質を見ているからこそ、「この結果には何が足りなかったのか」を建設的に議論できる。数字しか見ない組織では、敗因分析も属人的・感覚的になり、再現性のある改善ができない。
評価制度に“言語化された承認”を
正しい努力が評価されない原因の多くは、「伝え方の不足」にある。評価していないのではなく、評価が“伝わっていない”のだ。
経営者や上司が、日々の行動や工夫に対してきちんと言語化し、承認の言葉として伝える。これがあるかないかで、現場の士気はまったく違ってくる。
人は「見られている」と感じると、主体的になる

「努力が報われる」と実感できる組織は、自然と挑戦の空気が生まれる。逆に、努力が黙殺される環境では、人は早晩、思考を止める。
経営者にできる最も強力なマネジメントは、現場の「見えにくい努力」を見抜き、認め、次の行動に繋げていくことだ。
“報われる努力”を制度ではなく、文化として根付かせる──それが、組織を長く強くする道だと私は信じている。